ニュージーランド冒険記　～プロローグ～

はじめまして　パコです^^

このブログを初めてご覧いただく皆様、訪問ありがとうございます！
こちらでは簡単に自己紹介とこのブログのメインテーマとなるニュージーランドについて書いていきます。

私は旅と写真と山歩きをこよなく愛し、これまで数々の場所を冒険してきました。
初めて見る景色に圧倒されたり、未知の世界に遭遇したり、旅は日常とはかけ離れた興奮を与えてくれます。日本を飛び出して「何者でもない自分」と向き合う時間や、慣れない言語で四苦八苦しながら前に進む感覚。日常に収まっていたら遭遇することのないピンチに直面し、乗り越えた時の達成感。日本じゃ有り得ないような理不尽なことや価値観の違いも、気づけば笑って受け入れていたりする、新しい自分や優しい感情との出会い。
それらは私に「生きてる！」という実感を与えてくれます。
そして同時にそこで撮影した数えきれない写真は、その日その時私にしか捉えられなかった奇跡の瞬間。それらは確かに「私が、そこに、活きていた」という証拠を残してくれます。
だから私は旅をする度に息を吹き返すことが出来、その感覚が私を虜にし、また旅に出たくなる・・・そんな旅中毒が、私です。
簡単に言うと、「すごい！」「やばい！」そんな感覚が、私は大好きなのです(^^♪

この「ニュージーランド」カテゴリーでは、私が一年間ニュージーランドで過ごした冒険の日々を綴っていきます。学校に行ったり、山歩きをしたり、ホームステイをしたり、仕事をしたり…。楽しかったことはもちろん辛かったこともたくさん経験し、自分の力で生きて得たものは私の生きる糧となりました。その感動や思いを忘れないためにも、ニュージーランドという国の素晴らしさをたくさんの方にお伝えするためにも、このブログに残していこうと思いました。渡航は２０１５年１０月～２０１６年９月頃で、時は経ってしまい情報として活用できないところもあるかもしれませんが、これから行きたいなと思っている方に私の見てきたものを通してさらに思いを膨らませてもらえたらな、と思って書いています。

私は渡航前から公私を兼ねて日本中あちこちを旅していましたが、その中でも特に気に入った場所が、屋久島でした。気軽に島全体を見て回れるサイズ感や、海も山もあって自然豊かで獰猛な動物がいない点、人々が明るくのんびりとしていてその土地に愛着をもっている点や、小さな島の中にもそこにしかない独特の空気感や魅力があり冒険心をくすぐられるところ。ワーキングホリデーを利用できる国の中でも、そういった点が共通していることで、ニュージーランドは私の中で唯一無二の国でした。

登山が好きなこともあって、歩きたい山がたくさんあることも決め手の一つでしたが、ニュージーランドのそれは少し異色でした。
登山というとトレッキングやハイキングなどと言いますが、ニュージーランドでは山を歩くことが国民の日常的なスポーツ・娯楽となっていて、特にトランピング(tramping)と呼ばれています。日本でいう登山とは、そのだいたいが山頂を目指す、いわばピークハントのことを指しますが、ニュージーランドでいうトランピングは、山や自然の中をてくてく歩く「お散歩」の意味合いで使われています。ニュージーランドには素晴らしい山がいくつもあり山頂を目指すことももちろんありますが、この言葉は自然の中をのんびり歩いたり、そもそも山頂には到達出来ない（しない）山で景色を楽しんだりすることに対して使われます。「自分のペースで、歩くことを純粋に楽しむ」のがニュージーランド流登山「トランピング」。私はこの感覚がとても好きでした。

ニュージーランドのトランピングが特に日本やその他の国と違うのは、国中どこの町にも自然を楽しめるコースがたくさん用意されていて、短いもので５分から、３０分や１時間で歩けるショートコースもあり、あらゆる国民が日常的に気軽にトランピングをしていることです。学校帰りにちょっと歩くとか、休みの日に散歩がてら歩いてピクニックをするとか、人々の生活のすぐ側にトランピングがありました。
また、現地では日本の登山家のようにがっちり装備をしている人は稀で、タンクトップにハーフパンツが標準、手ぶらの人も多く、荷物を持っていてもタオルやペットボトル (そのまま手で！) だけだったり、皆とても身軽です。もちろん登山の程度にもより、数日から数週間かかる大がかりなコースもあり（それこそ数か月かかる国縦断コースまで）それには相応の装備が必須ですが、自然に対して構えすぎない、日本人の感覚とはかけ離れた価値観がそこにはありました。

そんな環境もあり私はニュージーランドの生活ではほぼ山歩きに徹することになるのですが、登山のことに関しても、日常生活やものの考え方に関しても、ニュージーランドではあらゆることに身軽でシンプルで、そんなこの国のことが私は大好きになりました。ちょっと気づけば頑張りすぎてしまう日常も、このトランピングのように、てくてくお散歩するように一息つきながら生きてみてもいいんじゃないかと、一生懸命走ってスタートとゴールしか記憶にないよりも、自分のペースで歩いて道端の花や周りの景色に気づき感動できる余裕があった方がが人生が豊かになるんじゃないかと、この旅はそんなことを教えてくれました。そしてそんなふうに日常を生きていけたらと思い、この「お散歩日記」は生まれました。

「ゆっくり、焦らず、自分のペースで」

それは私自身にいちばん必要なことでもあります。

f:id:trampinglife:20200429153038j:plain